「インプラントにはフッ素は使ってはいけない(禁忌)」
とお聞きしたことがある方もいらっしゃるかと思います。
結論:「場合によっては、フッ素を使うことをすすめる歯科医師もいる」
確かに、歯磨き剤に含まれているフッ素は、インプラントに問題を起こす可能性があることが報告されています。
インプラントの人工歯根は、チタン合金でできています。
チタンは、顎の骨と結合する性質を持っており、ふつうに食べたり飲んだりする分には腐食することもなく、
また、アレルギーも起こりにくい、生体にやさしい金属として知られています。
フッ素(フッ化物)は、酸性の状況だとチタンを溶解し腐食してしまう性質があります。
ただ、腐食の度合いはフッ化物の濃度次第になりますので、
研究データからは、濃度が薄ければ腐食の度合いも少ないことがわかっています。
国産の歯磨き粉で、市販の医薬部外品に含まれるフッ化物は、日本では1500ppm以下〈2017年に改定〉と定められており、高濃度のフッ化物は入っていません。
また、歯磨き剤は唾液によってうすめられるため、お口のなかに残るフッ化物は低濃度です。
フッ素は、天然の歯に対しては、歯をコーティングすることで、虫歯予防に効果があるというメリットがあります。
インプラントも天然の歯も両方ある人にとっては、フッ素はメリットもデメリットもあります。
そのため、インプラントの本数と、天然歯の数等の状況によっては、フッ素を使うことをすすめる歯科医師もいます。
担当の歯科医師と相談した上で、フッ素のメリット、デメリットを踏まえて使うようにしましょう。