1つの歯に対して1本のインプラントを埋入する一般的なインプラント治療の他に、
「オールオン4」と呼ばれるインプラント治療もあります。
オールオン4の治療では、埋入するインプラントの本数や治療回数が少なくて済むことから、通常のインプラント治療と比較すると費用を抑えられます。
そこで本記事では、オールオン4の治療にかかる費用相場の目安を解説します。一般的に、被せ物に使われる素材によって大きく異なるため要注意です。
オールオン4とは?
オールオン4とは片顎のすべての歯を支えるために4本のインプラントを使用する治療法です。
通常のインプラント治療では、各歯に1本ずつのインプラントを顎の骨に埋め込む必要があり、場合によっては最大で28本のインプラントが必要です。
しかし、オールオン4では、4本のインプラントだけで複数の人工歯を支えることができます。これにより、インプラントの埋入本数を大幅に削減できるため、患者様にとって身体的な負担やコストの軽減が期待できます。
オールオン4の詳細が知りたい方はこちらをご覧ください。
オールオン4の概要だけでなく、メリット・デメリットや治療の流れなどが理解できます。
オールオン4の費用相場
オールオン4の治療で片顎(上顎もしくは下顎)をセラミックの歯にした場合の費用相場は270万円〜450万円程度です。
それに対して、通常のインプラント治療の場合、全顎にインプラントをすると480〜960万円程度かかります。
通常のインプラント治療と比較すると、オールオン4の治療では埋入するインプラントの本数が少ないため費用を抑えることができます。
筒井歯科でオールオン4の治療を片顎にする場合にかかる費用は2,728,000円(税込)です。120回の分割払いにした場合はおよそ月額27,300円(税込)です。
注意点として、オールオン4もインプラントも歯の部分である被せ物(上部構造)の素材によって、大きく費用が異なります。
インプラントの被せ物の代表的な素材を以下の3つに絞り、それぞれの素材にかかる費用を具体的にご紹介します。
- アクリルレジン(プラスチック)
- ハイブリッドセラミック
- オールセラミック
インプラントの構造の詳細はこちらをご覧ください。
インプラントは3つの要素で構成されており、それぞれの要素には種類があり、そのなかから患者様の歯の状態や希望にそって治療します。
▶ インプラントの構造について
アクリルレジン(プラスチック)の費用相場
アクリルレジンのオールオン4の費用相場は210万円〜250万円程度です。
アクリルレジンはプラスチックでできた素材であり、柔らかく摩耗しやすいことから数年間使用していると徐々に削れていきます。
変色しやすく汚れもつきやすいことも特徴のひとつです。
また、プラスチック素材はキメが荒いことから細菌がつきやすく、プラスチックが唾液を吸着することで口臭の原因にもなります。
結果的に数年間で再度作り変える必要があり、その度に30万円〜50万円程度かかります。
セラミック製とプラスチックの違い
ハイブリッドセラミックの費用相場
ハイブリッドセラミックの費用相場は250万円〜300万円程度です。
ハイブリッドセラミックはその名の通り、セラミックとレジン(プラスチック)を組み合わせて作った素材です。
セラミックの透明感やツヤ感のある天然歯に近い仕上がりになりやすいものの、徐々に変色することがあり、周囲の歯との色の差が徐々にでてきます。
また、レジン素材よりも耐久性が良いオールセラミックよりも耐久性には劣ります。そのため、徐々に欠けやすくなっていき、5年程度で作り変えることが必要です。その都度、50万円〜70万円程度かかります。
しかし、レジンが組み合わせられていることから比較的、費用を抑えられ、オールセラミックよりも安く済ませたい方には向いています。
オールセラミックの費用相場
オールセラミックは全体的にセラミックで作られた素材です。透明感やツヤ感があり、色も天然歯に近い仕上がりになります。
傷がつきにくく擦り減りにくいため、比較的長期間にわたって使用可能です。
筒井歯科では、セラミックを使用したインプラントに特化した歯科技工所を併設しているため、ジルコニア(人工ダイヤモンド)を用いたオールセラミックのオールオン4を比較的低コストでご提供しています。
オールオン4のインプラントをご検討中の方はぜひ当院へお気軽にご相談ください。
オールオン4で費用を抑えられる3つの理由
オールオン4は通常のインプラント治療と比べると、比較的費用を抑えられます。オールオン4で費用を抑えられる主な理由は以下の3点です。
- インプラントを埋入する本数が少ないため
- 手術や治療の回数が少ないため
- 顎の骨を有効的に使いやすい
それぞれの理由を詳しく解説します。
インプラントを埋入する本数が少ないため
オールオン4で費用を抑えられる1つ目の理由は、インプラントを埋入する本数が少ないためです。
繰り返しにはなりますが、1つの歯につき1本のインプラントを埋入する通常のインプラント治療と比べると、オールオン4の治療ではインプラントの本数は少なくて済みます。その分、費用も抑えられます。
このように、オールオン4の治療ではインプラントの本数・治療時間・コストなどを減らせ、トータルコストを抑えられるでしょう。
手術や治療の回数が少ないため
オールオン4で費用を抑えられる2つ目の理由は、手術や治療の回数が少ないためです。
全顎に多数のインプラントを埋入するこれまでのインプラント治療では、患者様への負担を考慮して複数回に分けて手術を行う傾向があります。これにより、その都度、手術費用や材料費が発生し、トータルコストが高くなってしまいます。
それに対して、オールオン4ではインプラント埋入手術は1回で完了します。そのため、治療回数や通院回数が大幅に減少し、結果として費用面での負担が軽減されます。また、身体的な負担も少なくできることもメリットのひとつです。
つまり、オールオン4を選択することによって、歯科医院への通院回数を減らしながら治療費も抑えられます。
顎の骨を有効的に使いやすい
オールオン4で費用を抑えられる3つ目の理由は、顎の骨を有効的に使いやすいため、骨造成が必要なくなったり、骨造成の量を減らすことができる場合が多いからです。
インプラントを埋入するためには十分な量の骨が必要となります。しかし、歯を失ってから期間が経つと、顎の骨は痩せてしまいます。顎の骨が十分にない場合は、骨を増やす「骨造成手術」が必要です。骨造成手術には高度な技術が必要であり、費用もかかります。
オールオン4では骨の量が多い部分を厳選してインプラントを埋め込むため、骨造成手術を無くすか、減らすことができる可能性が高いです。その結果、通常のインプラント治療に加えて骨造成手術が必要な場合と比較すると、費用を大幅に抑えられるケースが多くあります。
骨の量が少なくてインプラント治療を諦めていた方でも、オールオン4であれば治療できる可能性があるため、まずはお気軽に当院にご相談ください。
オールオン4を使った治療費用が安い場合の2つの注意点
オールオン4の治療は通常のインプラント治療と比較すると、費用が安く済むメリットがあります。
しかし、オールオン4の治療費が安い場合には、いくつか注意すべき点があります。主な注意点は以下のとおりです。
- 症例数が少なく信頼性に欠けるマイナーなインプラントが使用されている
- 治療費用の一部しか明示されていない
治療を受ける前にそれぞれの注意点も知ったうえで判断しましょう。
症例数が少なく信頼性に欠けるマイナーなインプラントが使用されている
オールオン4の治療費が安い場合に注意すべきことの1つ目は、症例数が少なく信頼性に欠けるマイナーなインプラントが使用されていることです。
世界には100種類以上ものインプラントメーカーが存在しますが、日本で認可を受けているメーカーはごくわずかです。オールオン4の治療で使用されるインプラントのなかには、あまり一般的でないものが含まれることもあります。
日本での認可を受けていないメーカーの製品は、国内での使用実績が乏しく、安心して利用できるか保証が十分ではない可能性があります。そのため、治療費が極端に安い場合、マイナーなインプラントが使用されているかもしれません。
マイナーなインプラントを使用すると、トラブルの発生率が高くなる恐れがあります。
したがって、どのようなインプラントを使用するのか、事前に歯科医師に確認することが重要です。安心や信頼ができるかどうかを重視し、適切な選択をすることが、長期的な観点から見て賢明でしょう。
治療費用の一部しか明示されていない
オールオン4の治療費が安い場合に注意すべきことの2つ目は、治療費用の一部しか明示されていないことです。
患者様のなかには、「オールオン4は費用が安い」などの広告を目にすると、つい惹かれてしまう方も少なくないかもしれません。しかし、治療を受ける前に、本当にすべての費用が含まれているのかをしっかりと確認することが大切です。
表示されている費用が、手術代や材料費などの一部だけであり、検査費用や調整費用などが別途かかるケースも少なくありません。
患者様に誤解を与え、契約後に高額な追加費用を請求するような悪質なケースも考えられます。
そのため、治療を受ける前に、治療費の内訳を提示してもらいましょう。検査費用・手術費用・材料費・調整費用など、各項目が明示されていると良心的です。
オールオン4を使った治療は保険適用される?
結論、オールオン4の治療は保険適用されません。
その理由は、オールオン4が高度な技術と特殊な設備・材料を必要とすることから、健康保険のカバー範囲を超えているためです。
日本の健康保険では、基本的な歯科治療以外にも抜歯や一部の補綴物などのように、必要最低限の治療をカバーすることを目的としています。しかし、オールオン4に限らずインプラント治療は、その適用範囲外となります。
オールオン4を使った治療費用の支払方法
オールオン4は治療費としては高額ではあります。費用負担が心配で治療を検討する際の重荷になる方もいるでしょう。
以下の2つの方法で工夫をすれば、金銭的な負担の軽減が期待できます。
- 医療費控除
- デジタルローン
医療費控除
治療費の負担を軽減する1つ目の方法は、医療費控除です。
医療費控除とは、年間で支払った医療費が一定の基準額を超えると適用される所得控除のひとつです。
国税庁によれば、医療費控除を受けるための条件として、以下の2点が挙げられます。
- その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費であること
- 自分自身や家族が支払った医療費が10万円を超えていること(最高200万円まで)
つまり、生計を一緒にする世帯で10万円以上の医療費が発生した場合には、医療費控除を受けられることがほとんどです。
自由診療(保険外診療)であるインプラント治療やセラミック治療も、審美を目的とした治療でなければ医療費控除の対象となります。
還元される金額は所得によって異なりますが、確定申告をすれば所得税が軽減されるため、対象の方は忘れずに確定申告することをおすすめします。
デンタルローン
オールオン4の治療ではデンタルローンも利用できます。
デンタルローンとは歯科医療費の支払いに限定されたローンです。高額な費用がかかるインプラントのような自由診療(保険外診療)で利用すると、複数回に分割して支払いができ、無理のない範囲で治療を受けられます。
当院ではオールオン4に限らず、最大120回払いに対応しているデンタルローンをご用意しています
お支払い方法もお気軽にお問い合わせください。
オールオン4の治療をご検討の方は当院へご相談ください
4本のインプラントで片顎のすべての歯を支えるインプラントの治療法「オールオン4」では、1本ずつインプラントを埋入する通常のインプラントと比較すると、費用面で患者様の負担を減らせます。それは、インプラントを埋入する本数だけでなく、手術や治療の回数も少なくて済むからです。
インプラントの被せ物の素材によっても費用は大きく異なりますが、当院ではオールセラミック素材の被せ物を標準料金でご提供しています。そのため、一般的には100万円程度かかってしまう加算料金もありません。
オールオン4をご検討の際はまずはお気軽にご相談ください。