「若いのに歯がない。やばい!」といって来院される患者様がいらっしゃいます。
若くして歯を失ってしまうことは、決して珍しいことではありません。
事故や生まれつき永久歯が無いなどはもちろん、虫歯や歯周病は感染症が原因の場合が多く、その進行の仕方は人それぞれです。それでも20代や30代で歯を失うというのは、とても辛いことだと思います。
そこで、この記事では若くして歯を失う原因やその治療法、放置することによる影響について詳しく解説します。
若い人が歯を失う主な原因
若い人が歯を失う主な原因は次の3つです。
虫歯
虫歯は若者にとって最も多い歯を失う原因です。
虫歯が進行して神経に達し、治療が難しくなると抜歯を余儀なくされます。
また、虫歯を放置すると歯根の先に膿の袋ができ、抜歯しなければならないケースもあります。
歯周病
30歳以上の人の場合、最も多い歯を失う原因は歯周病です。
歯周病は歯周病菌が歯周組織を侵していく病気で、進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、歯が揺れ始めます。
外傷
交通事故やスポーツ事故などで歯が折れたり抜けたりすることもあります。
特に前歯はこのような事故による影響を受けやすいです。
若いのに歯がない場合の治療法
若い人が歯を失った場合の治療方法は主に以下の3つです。
ブリッジ
ブリッジは歯を失った部位の両隣の歯に被せ物を入れて、失われた部分に人工歯をつける治療法です。
部分入れ歯と違い一度つければ外れません。
しかし、まだ健康な歯であっても両隣の歯を大きく削る必要があり、その結果両隣の歯の寿命まで縮めることになります。
入れ歯
入れ歯は歯を失った部位に取り外し式の人工歯を入れる治療法です。
歯を削ることはないのですが、違和感を感じることが多く、また、入れ歯がぴったり合わないと、入れ歯の裏側に食べかすがたまるので、毎食後、外して洗わなければならないというデメリットがあります。
インプラント
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せる治療法です。
固定されるので使い心地が良く、噛む時の違和感が少ないのがメリットです。しかし、治療費が高く、治療期間が長いというデメリットもあります。
全ての歯を失った場合の治療法
総入れ歯
総入れ歯は、口の中に入るための基盤となるアクリル樹脂の床に、人工歯を取り付けたもので構成されます。
総入れ歯は、歯を失ってしまった場合に最も一般的な治療法の1つであり、比較的安価な治療法の1つです。
ただし、大きく、不安定なものであるため、装着感が悪く、食べ物を咀嚼するのが難しいというデメリットがあります。さらに、長時間使用すると口の中の粘膜に損傷を与えることがあります。
総入れ歯を使用する場合は、定期的なメンテナンスが必要であり、口の中の清潔を保つためのケアが重要です。
オールオン4
インプラントを使用した歯科治療の一種で、4本のインプラントを用いて、1つのブリッジ(人工歯をつないだもの)を支える方法です。
インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込むことで、その上に人工の歯を装着することができます。
オールオン4は、4本のインプラントを顎の骨に取り付け、その上に一つのブリッジを取り付けることで、ブリッジが噛み合わせの力を分散し、口腔内の負担を軽減することができます。また、オールオン4は、入れ歯よりも快適で自然な噛み合わせを維持することができます。
ただし、インプラント治療は外科的な方法であり、また入れ歯とくらべ治療費が高いため、歯科医師との細やかな相談が必要です。
歯をこれ以上失わないために
失った歯は二度と戻ってこないので、これ以上、歯を失わないためには定期的に歯科医師の診察を受けることが大切です。また、ブラッシング指導やクリーニングを受けて、口腔ケアを継続することも重要です。
若いのに歯がない人が知らないとやばい3つの基礎知識
1本の歯が抜けたままが、すべての歯がボロボロを引き起こします。
歯が抜けたままの状態にしておくと、空いたスペースに周りの歯が倒れてきたり、噛み合わせていた反対の歯が伸びてきます。結果として、お口全体のかみ合わせが崩壊し、すべての歯がボロボロになってしまいます。
悪くなった歯をずっと放置してボロボロになってしまい、本当に後悔されている患者様を大勢、治療してきました。他の歯が悪くなる前に治療を始めることを強くおすすめします。
治療法によっては残りの歯の寿命も縮めてしまう
治療法を選ぶときには、治療法によって残りの歯の寿命が縮まる可能性があることを考慮する必要があります。
抜けた原因への対策なしではもっと大変な結果になる
歯を失った原因である虫歯や歯周病は自然に治癒するものではありません。根本的な治療をしないと、どんどんひどくなっていってしまいます。
若くして歯を失ってしまった方へ
抜けた歯を放置してしまった方で一番よくきく理由は、「歯医者が苦手・嫌い」だからです。
痛い・怖い、といった理由以外にも、歯科医師に冷たい対応を取られた、怒られたなどでトラウマになってしまう方も多いようです。
痛みが出ないようにこだわる歯科医院や、患者様の辛さをわかってくれる歯科医院もたくさんあります。
大切な自分の歯の未来を守るために、勇気を出して、自分にあった歯科医院を探していただければと思います。