「歯石をとったら、歯がスカスカする」
「歯石をとったら、急にモノがはさまりやすくなった」
歯科医院で歯石取りをおこなった結果、「歯を削られたのではないか」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際はどうなのでしょう?
歯石除去では、歯は削れない
歯のエナメル質は、非常に硬く、歯石除去の機械(スケーラー)では削って歯の隙間を作ることは、とてもできるものではありません。
歯を削ろうとすると、ダイヤモンド付きの研磨機を高速回転させなければならないほど、歯は硬いのです。
ではなぜ、隙間ができたり、スカスカになるのでしょう?
実際には、もともとあった歯の隙間に歯石がついて、埋めてしまっていたものが取れたからだと考えられます。
歯石やプラーク(歯垢)は、慢性的な歯周病を起こします。
すると、歯ぐきが下がったり、顎(あご)の骨が減り、歯が長く見え、隙間が広がっていきます。
その間に歯石が詰まっていて、隙間が無いように見えていても、歯石を取ると隙間ができてしまうのです。
歯石は放っておいて良い?
もちろん歯と歯ぐきを守るためには、歯石を取らないと、歯茎が下がり続け、最終的に歯が抜けてしまいます。
歯石などによる歯周病によって、一度下がってしまった歯茎は外科手術を行わなければ、もとには戻りません。
食後のうがいと歯みがき、歯の隙間が大きいなら歯間ブラシを使い、予防するとともに、
歯科医院で定期的に歯石をとってもらいましょう。
自然に歯石取れた、そのままでよい?
通常、歯石は自然に取れることはありませんが、あまりに大きい歯石の場合、
ひっかかりやすいので、自然に取れることもあります。
その場合も、取れた部分がスカスカになることもあります。
この場合、取れたのが歯石だけであればよいのですが、
虫歯で弱くなった歯が欠けた可能性もあります。
歯が欠けた場合、欠けた部分は虫歯に弱いので早期に治療が必要です。
また、自然に取れるほど歯石がついているのであれば、他の歯にも歯石が大量についてると思われますので、
早期に歯科医院で歯石取りをしてもらいましょう。
歯周病が進行して歯が抜けそうになってからでは、
治療は大変困難になります。